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兄弟姉妹の役割分担が大切!親の介護に備え、まずは話し合いから始めよう

リード

高齢者の生活、介護に関する番組やニュースなどが多く取り上げられる昨今ですが、自分の親だけは「いつまでも元気」と、他人ごとに捉えがちです。介護者となる家族には、身体的・経済的負担が大きくのしかかります。いざ親が介護状態になってから、子である兄弟姉妹が慌てるケースも珍しくありません。

では兄弟姉妹の間で負担の集中を避け、それぞれが納得のいく形で親の介護を行うために、どのように協力し合えばよいのでしょうか。

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コラムサマリ

★この記事は約5分で読めます。

  • 親子間の距離が離れている人ほど、親の介護への備えを考えたい。
  • 親の介護は、兄弟姉妹間での協力、そして役割分担が重要。
  • お互いの背景を知るために、兄弟姉妹で話し合う機会を設けることがおすすめ。
本文

親の願いは、子たちがいつまでも仲良く、豊かに暮らすこと

子にとって親は、子ども時代の“保護者”としてのイメージが離れず、いつまでも元気で、生活していくものと思いがちです。離れて生活する場合には、たった数ヵ月のうちに老け込んだ姿にショックを受ける方もいるようです。

一方、親にとっても子は、いくつになっても「子」であり、独立した後も心配は尽きません。年齢とともに自分の亡き後のことについて考える機会も増えていきますが、子が不自由なく幸せに、兄弟姉妹がいつまでも仲良く、助け合って生きることを願うものです。

 

家族の介護、その現状

「親にはいつまでも元気でいてほしい」と願っていても、親が暮らす実家に集まるのは、お盆とお正月という家族も多いでしょう。このように親子間の距離が離れていると、ちょっとした親の健康リスクのサインに気づけない場合もあります。。その結果、突然、親が介護状態になって子が慌ててしまったり、経済的負担および肉体的負担が一人に集中することで思いがけないトラブルにつながるケースも散見されます。

 

53歳女性Aさんの事例

ここで、地方在住で夫と二人暮らししているAさん(53歳)の事例を紹介しましょう。

ある日、半年前に退職した同僚と久しぶりに再会したAさん。その時に聞いた同僚の話が、他人事には思えず、自分の将来が心配になりました。

他人事に思えなかったのは、Aさんの親が同僚の親と同世代だったからです。「介護」について自分ごととして捉えはじめたAさんがとった行動は、以下のとおりです。

 

①まず、インターネットで介護に関する記事を読み、介護に関する知識を収集

③親の健康状態を知る

④離れて暮らす兄弟姉妹と話し合いの機会を設ける

⑤親との関係性、兄弟姉妹との関係性・役割を見直し、課題を整理(だれが介護をするのか、介護にかかるお金はどうするのか)

 

Aさんには離れて暮らす兄と妹がいます。Aさんは、実際に兄妹とどのように親の介護について話し合ったのか見ていきましょう。

 

兄弟姉妹で親の介護について話し合ってみよう

同僚の話では姉妹の役割について話し合いができておらず、法廷闘争まで視野に入れるほど関係性が悪化してしまっていました。そんな事態を避けるために、Aさんは一度兄妹で集まって親の介護について話し合い、認識を合わせておくことが必要だと考えました。

Aさんの兄妹は、これまでお正月には家族が集まるものの、話すのは近況報告程度で、今後について話をしたことがありませんでした。最初は面倒くさがっていた兄ですが、次第に真剣に考えるようになり、義姉も話し合ってくれたそうです。また、妹とも本音を打ち明けられるようになり、お互いが置かれている状況の大変さを理解しあった上で、できる範囲で協力してもらえることを約束しました。

それぞれの生活スタイルや経済状態などで、できることと、できないことがあります。親の介護という共通の課題に対して、兄妹間で話し合いを重ねることで役割分担を明確にしていきました。

Aさんのケースは、兄弟姉妹がそれぞれの背景を理解しつつ、きちんと話し合うことで将来の介護不安の解消に向けて第一歩を踏み出せた成功事例と言えます。「子どもたちに仲良く暮らしてほしい」――。そんな親の気持ちに応える意味でも、ぜひ兄弟姉妹で親の介護について真剣に話し合ってみてください。

 

経済的負担への解決策として、保険で備えるという選択肢

だれが、どのように役割分担するのか話し合うことの有効性については、前述のとおりですが、介護における悩みのひとつとして考えられるのが、「介護にかかるお金」です。公的介護保険では賄いきれない様々なお金がかかります。

一日でも長く、快適に過ごしてもらいたい、そんな願いを込めて民間の介護保険で備えることも有効です。保険を活用して、労力負担と経済的負担を兄弟姉妹間で分担するのもよい考えでしょう。あわせて検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆協力

執筆者名

大竹麻佐子

執筆者プロフィール

証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て独立。相談・執筆・講師活動を展開。ひとりでも多くの人に、お金と向き合うことで、より豊かに自分らしく生きてほしい。ファイナンシャルプランナー(CFP©)ほか、相続診断士、整理収納アドバイザーとして、知識だけでない、さまざまな観点からのアドバイスとサポートが好評。2児の母。

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